【定期借地】ブリリアシティ西早稲田のモデルルームに行ってきました【レビュー】
新築マンションの、ブリリアシティ西早稲田のモデルルームに行ってきましたのでメモします。
大規模な定期借地権の物件なので、勉強がてらで見に行った、というのが主な理由です。
以下は個人的な意見ですので、物件を批判する意図は全くありません。
正直、共有部など憧れる部分も多々有りました。
しかし、残念ながら、今の私の生活スタイルからだと、デメリットも有り、購入の選択肢には入らなかったな、というだけの事ですので、悪しからず。
立地は良いとは言えない
アクセス
- 副都心線の雑司ヶ谷駅までは坂を上って8分で3番出口、ここからホームまでが長くて5分くらいかかるので、トータル13分。
- 東西線の早稲田駅まで15分程度、高田馬場駅までも15分と距離が有る。
- 神田川を渡って目の前が都電荒川線の面影橋駅だが、遊びはともかく、通勤で使うにはメリット無しか。
- 空港アクセスは、池袋サンシャインシティに都電で出てリムジンバスか、椿山荘までタクシーで、そこからリムジンバスのどちらかか。
周辺
- スーパーは徒歩圏内に「よしやセーヌ目白高田店」が400m
- コンビニはセブンイレブン、ファミリーマート、ポプラがどれも300m
- ヤマト運輸の配送センターが300m
- 物件の北側には古めだがルネサンス早稲田というスポーツジムが有り、プールもあるのでスイミングスクールも有る。これは近いのでGOOD!
- 図書館は東池袋まで出ないと無い。雑司ヶ谷駅近くに貸し出しカウンターのみあるが、蔵書無し。
- 近場に遊具のある公園があまり無い印象。甘泉公園が新目白通り渡ってすぐだが、日本庭園なので、子供が走り回れるような感じでは無い。文京区の目白台運動公園まで自転車で行けば、芝生の広場がある。
- 神田川の桜並木は非常に見事。サウスコートの低層階や川沿いに散歩などで満喫できそう。
- 目の前が神田川で前の建物までかなり距離が有るため、サウスコートの日当たりは抜群!
ハザードエリア
ハザードマップはこちら:https://www.city.toshima.lg.jp/042/bosai/taisaku/hazard-map/documents/kouzuihaza-do.pdf
- 神田川沿いの物件なので、神田川浸水想定区域内にあり、氾濫時の浸水の深さは2m。
- 環状七号線地下調整池という巨大トンネル(143万m3)が建設中・一部運用中なので、時間100mmの豪雨でも大丈夫との説明有。
- ハザードマップは令和元年11月の物であり、上記調整池の効果はまだ計上されていない可能性も有るが、リスク有る事は理解すべきかと。
- 電気室は1Fで、上げ床50cmしかしていないとの事で、不十分感は否めない。少なくとも1階の部屋を選ぶ理由はないと思う。といいつつ、浸水した時点で電気系統が死ぬし、近場の駅含めた一帯が水につかるので、災害リスクを考えると、「無し」な物件と思う。親世代の同意を得るのも難しい。
引渡し時期が幼児世帯には最悪
引き渡しは2022年5月。ファミリー向けをうたっている割には、ひどいミスマッチな引き渡し時期と思います。
というのも、この辺りは豊島区と新宿区・文京区との区境で、南は新宿区、北と東は文京区と接しています。よって豊島区民として利用できる保育園が西方向にしかなくて少なく、かつ455戸のファミリー向け等物件ができると、保育園倍率が上がるのは必至。にもかかわらず、せめてもの4月入園ではなく5月以降の入園になるなど、入園枠を確保できる気が全くしないです。。
年度中に区外に引っ越しをした場合は、その年度中に限り、元の保育園(その区に住んでいなくても)に預ける事が可能との事ですが、近場の引っ越しでない限り無理ですよね。
正直、我が家としては、この理由だけでNGでした。。
専有部のグレードは高くない
共有部に全振りなんでしょうか?専有部のグレードは正直高くないと思いました。
- 天井高2.45mを押していましたが、それって結構普通では?窓は1.9mしかないので、開放感もあまりありません。
- キッチンは追加料金なしで3種類から選べます。STAGE STYLEというシーザーストーンを面板に使ったものが標準との事。ディスポーザーと食洗器有で、食洗器はオプションで鍋なども洗える深いタイプにできるとの事。
- キッチン横に、コミュニケーションスペースとの名称で、作り付けのデスクと棚が有ります。子供の勉強・作業机として良さそうで、これは気に入りました。
- 洗面所は標準は3面鏡ですが、追加料金なしで1面鏡+偏芯ボウルにもできるとの事。これが結構カッコよかったのですが、収納が減るのはつらいですかね。
- トイレは手洗いが有りますが、タンクレスではないし、収納がちょっと安っぽい。
- ベランダの隣宅との境が賃貸物件と同じような薄板でした。スロップタンクもなしです。
- 外廊下は広めかなと思ったのですが、廊下側の部屋のエアコン室外機を置くためでした。かなり残念な見栄えになりそうです。
共有部は充実
- インナーフォレストと呼ばれる中庭に期待ですね。ちょっとした山のようなものも作るようで、子供の良い遊び場になりそうです。オートロックの内側なのもGoodです。
- ライブラリーとエントランスの緑はかなり気持ちが良さそうです。
- キッズスタジオ(無料)、フォレストキッチン(1000円/h)、フォレストリビング(500円/h)なども中庭に面していて良さそうです。
- ゲストルーム(リネン代)と防音のマルチスタジオ(500円/h)も有ります。
- シェアカーとしてテスラ2台が導入されるとの事(約8000円/day)モデル3なのでテスラの中では最廉価モデル。九州電力と提携なので、入居者の所有物ではない為、物件価格には特に乗っかっていないとの事。
コワーキングエリアの収益性に不安
コロナでの在宅勤務ブームにのっかって、かなり広めのコワーキングエリアが準備されています。オープンスペースと個室、ラウンジ、会議室やシェアキッチンまで有る立派なものです。
アイビーリンクスという会社に使用貸借契約しているとの事で、住人であっても有料との事。(未決定だが、一般は500円/日で、住人は半額程度との事。)アイビーリンクスとの契約は、家賃は無料で、光熱費・清掃費などはアイビーリンクス負担で、利用料で賄うようです。契約は5年間。
正直、一般の方がたくさんくるのもあまり想像できず、稼働率も怪しいですし、住民で使う人も限られると思われ、5年の契約満了後の出口戦略が甘いと思いました。
契約延長ができなければ、地代を食うだけの赤字スペースになってしまいます。そしてその赤字を埋めるのは入居者なのです。
また、住民で使う人が少ないと言うことは、修繕費用を当てて維持するのに反対する人もいると言うことで、流行りなのは分かりますが、危ういビジネスプランかと感じました。割り切って、賃貸で店舗を入れるとか、デリバリー料理の店をたくさん入れるとかの方が良いと思いました。
導線が非効率
- 4棟有るのに、ゴミ捨て場はセンターコートの1階北側の一か所のみ。これにはかなり驚きました。各階には無くても良いかもですが、少なくとも各棟には必要だったかと思います。毎朝のように455戸の人々がゴミ袋をもって長い距離を運ぶんでしょうか。。
- メールボックスも何故かエントランスを入ってウエストコートの北側奥まったところにあります。家に帰る途中に寄れず、一度奥まで行って戻ってくる形になるのが地味に不便です。宅配ボックスから荷物をもって、遠くの棟・部屋まで歩くのでは、宅配ボックスの意味が半減してしまいますね。
- 広大な自転車置き場(屋根は有るが屋外)が有りますが、これまた敷地の北東の外れ、メインエントランスの反対側で、北側の駐車場から回るか、サウスコート側からイーストコートを抜けて、やっとたどり着きます。出口も敷地の北東角なので、高田馬場側に出るのには、大きな敷地の2辺150mぐらいを回らないといけません。
駅徒歩有りますし、自転車移動は必須の立地なので、地味に残念な導線配置です。 - ただ、この辺りは気に入った物件なのであれば、我慢できる部分という気もします。もちろん妻の了解は必須ですが。。
価格は魅力的だが、定期借地でランニングコスト高すぎ
第1次第1期で、70平米3LDK 5790万〜6000万円台前半の格安パンダ部屋は売り切れてましたね。結論から書くと、これら格安部屋以外はお得感は無いです。
確かに山手線内で5000万円台、6000万円台で70平米の新築が買えるのは、とても魅力です。でもそんな美味しい話はないので、定期借地だとランニングコストと相応のリセールリスクを負うことになります。
本物件では、このランニングコストが思ったよりも高かったので、実際にはプラス1000万円ぐらいの物件を買ったのと同じくらいの、月々返済になるイメージでしょうか。
物件価格
ボリュームゾーンは7000万円前後の70平米 3LDKです。
例えば7190万円の部屋の内訳は以下との事。
- 前払地代: 870万円(12%)
- 権利金 :2650万円(37%)
- 建物 :3670万円(51%)
前払地代は、70年間の地代総額の57%程度を購入時に払うという事のようです。
また、前払地代分は住宅ローン控除の対象外です。
固定資産税は建物の分だけかかります。
ランニングコスト
定期借地権の物件なので、通常の管理費、修繕積立金に加えて、月払地代、解体積立金がかかります。70平米7000万円の部屋で以下との事。
管理費 | 21,000円 | 300円/㎡ |
修繕積立金 | 5,893円 | 5年毎に増額 |
地代 | 7,700円 | 3年毎見直し |
解体準備積立金 | 7,500円 | 固定 |
インターネット | 1,353円 | |
総額(月額) | 43,500円 |
固定資産税(年額) | 140,000円 | 建物部分のみ 6年目からは倍 |
いくら価格が安いとしても、ランニングコストで月々6万円程度がかかってしまうと、ローンは組めたとしても、月々の支払額の面で正直手が出ません。
逆に言うと、最安5790万円のパンダ部屋であれば、ランニングコストを加味しても、所有権の物件よりもお得感があったと思います。
管理費
ディスポーザーが有るとはいえ、外廊下ですし、エレベーターも5台しかありません。平置き駐車場も多いのに300円/㎡は、やはり充実した共用部ゆえでしょうか。
管理費の収支は、駐車場収入は稼働率75%、バイクは50%、自転車は78%で見ている模様、これもどのくらいが妥当か、よくわかってませんが、こんなものでしょうか。
修繕積立金
修繕積立金は5年ごとに見直しです。
購入時に修繕積立基金で43万円ほどを一括で納入し、その後は月払いです。
1~5年目が5893円(80円/㎡)、そこから5年毎に3000円、4000円、6000円と増額されていき、16年目以降は19000円程度(260円/㎡)を払うことになります。
修繕計画書を見せてもらいましたが、共有部の予算が分かりづらく(少なくとも個別枠では確保されていない)、コワーキングエリアなどは維持できないのでは?と思いました。
地代
前払地代で57%程度を購入時に支払いますので、残りを月々で支払います。
3年ごとに見直しで、固定資産税が上がれば増えるし、下がれば減ります。
さらに、毎年の消費者物価指数を掛けるとの事。
単純に地主が負担する諸税の増額分がそのまま地代として増えるという物なので、計算式に違和感は無いです。
ただ、月々では地代の43%分しか払っていないのに、変動分の計算は土地100%に関する諸税の変動で計算するので、注意が必要です。思ったよりも変動が大きく感じられてしまう可能性が有るという事です。
固定資産税が上がる=物件の客観的な価値も上がる、なのでリセール面では良さそうですが、月々の負担が増えるのは大変だなと思いました。
解体準備積立金
定期借地の契約は期限までに更地にして返すという契約ですので、事前に解体のためのお金を積み立てておく必要があります。
70年後までに30億円程度が積み立てられる計画との事。定期借地も制度として始まったのが1992年なので、満期となった実例は無く、どの程度の費用と期間がかかるのかも不明なのだとか。だったら、この30億円は何の数字なのか、と思いましたが明確な回答は無し。技術の進歩も有るはずなので、安く上がるかもしれませんし、、との謎の説明も有り。
正直、妥当な金額は誰も分からない、というのが本当のところのようです。
ただ、物件の周りの道幅は狭く、解体には結構な手間がかかるであろうことは想像できました。
固定資産税
固定資産税は建物部分にのみに課税されます。
70㎡で当初5年間は14万円程度との事。6年目からは倍増し年額28万円程度になりますね。
定期借地契約
契約チェーン
(株)オリジンー東京建物不動産販売(株)ー購入者
上記の契約チェーンでつながっています。東京建物や地主が倒産した場合は、同じ契約で新オーナーに売却することになるので、所有者との当初の契約には影響はない、との説明でした。
契約書原本を見ていないので、なんとも言えませんが、とはいいつつも、変な条件で売られてしまったら不都合を被る可能性も有るのでは?と感じます。
借地期間
地主からは72年間の借地期間で借りており、建設期間で2年見ているので、入居時には残り70年です。(2092年5月31日まで)
また、解体は期限の40か月前から開始する契約になっているようなので、実際に住めるのは66年8カ月です。
退去した後、解体完了までの40か月も、地代と解体準備積立金を払うスキームになっており、これは違和感ありでした。
定期借地の基礎は以下のブログでお勉強できそうですので、ご紹介します。