お茶の水女子大付属幼稚園説明会に行ってきました

文京区の茗荷谷に、お茶の水女子大附属幼稚園があります。
国立の幼稚園で、日本初の師範学校附属幼稚園との事で、入園するためには、お受験を勝ち残る必要の有る由緒正しい幼稚園です。
私も通えなくはない距離に住んでいるので、前から気にはなっていました。先日たまたま附属幼稚園のホームページを覗いたところ、翌日の7月6日に説明会が有ると知りました。慌てて参加しましたが、冬の受験前の公式説明会は今回だけなので、気づけてラッキーでした。
公式ホームページはこちらです。
http://www.fz.ocha.ac.jp/fy/menu/guidance/d006746.html
説明会概要
2019年7月6日、お茶の水女子大を訪れると、茗荷谷駅方面からスーツ姿の人達が大学に向かっていました。服装は男性はスーツや、クールビズスタイル、女性はほぼ全員が黒・ネイビーのスーツかワンピースでした。まさにお受験という感じで、私もジャケットを着てきて良かったと思いました。
説明会の会場は大学構内の講堂です。正門で写真付き身分証を見せて入構証を頂いてから入ります。
参加者は250名程度でしょうか。午前午後で計2回の説明会開催でしたので、500名程度が参加したのではないかと思います。
会場内は撮影、録音禁止。配布資料はA4両面印刷の1枚で、質疑応答は無しでした。
さて、内容をご紹介しましょう。
配布資料


特に留意しておくべき点
まず、森園長先生のあいさつから始まり、基本理念などをご説明頂いた後、上坂本副園長先生にバトンタッチし、配布資料をもとに説明を頂きました。
一通りの説明の後は20分程度のビデオを上映しながら、適宜補足説明を入れるような形で幼稚園での1年間が説明されました。
特に強調されていた点は以下の3点です。
1.幼稚園からお茶の水女子大付属小学校へのエスカレーター進学制度は無い、試験を受ける必要有。
(2020.2.5 追記)
「エスカレーター進学制度は無い、試験を受ける必要有」という点に関して、勘違いをしておりました。付属幼稚園生も一般入試を受けるものと理解していたのですが、そうでは無く、付属幼稚園生専用の選考ルートが有るようです。
付属小学校のHPに2018年の入試Q&Aが掲載されているのですが、以下の記載ありでした。
Q:入学人数が男女50 名程度になっていますが、募集人数が 25 名ずつなのはなぜでしょうか。
http://www.fz.ocha.ac.jp/fs/menu/d007967.html
A:新1年生は、35名で3学級編成、計105名です。附属幼稚園からも新入生を迎えているため、募集人数が 男女 各25名程度となっています。
上記によると、男女25名ずつ計50名程度が付属小学校に入学しているようです。付属幼稚園の5歳児定員は60名(男女30名ずつ)ですので、8割が付属幼稚園から付属小学校に進学している事になります。
試験が有るにしても、これではほぼ希望すれば上がれるような状態なのだと思います。
2.保護者にも子どもの為に多くの時間を割くことを要求するため、対応できる環境づくりとご理解をいただきたい。(=PTA活動や毎日のお弁当、延長保育無しの送り迎え等が必要で、基本は専業主婦でないと厳しい?)
3.大学の研究の一環となる可能性が有り、そのあたりの実験的な保育にも理解を頂く必要がある。
選考について
出願条件、注意点
・募集人数は3歳児クラス40名(男子20名、女子20名)、4歳児クラス20名(男子10名、女子10名)
・出願時に指定地域(半径3km)に在住していることが出願条件。(このために引越す家庭もあるとか)
・通園、選考含め、徒歩・公共交通機関のみ使用する事が出願条件。自転車、自動車不可。
・電話問い合わせ不可
・延長保育は無く、昼過ぎにはお迎えとなる。また毎日手作りのお弁当を持参する必要がある。
・保護者会などへの下の子同伴不可。ただし、通園時は下の子の同伴もOKな模様。
・PTAにてバザー用グッズ製作、図書フェア、公開保育受付、園周りの清掃、イベント時の保育ボランティア・調理補助など有。積極的な保護者の協力が求められる。
・選考は、以下の流れ。倍率は男子は20倍、女子は30倍程度。
1次選考は抽選
2次選考は行動観察(親無しの時間と、親付きの時間がある模様)と面接
3次選考はまたもや抽選
募集要項配布期間
募集要項は以下の募集期間に直接取りに行く必要がありますので、ご注意ください。
日時:11/5火-11/7木 14:30-16:00
11/8金 14:30-18:00
場所:附属幼稚園受付
持ち物:要写真付き身分証明書
幼稚園の生活
施設

・古い園舎を改築し、昔ながらの風貌を残しながら安全で清潔な園舎に生まれ変わっている。
・園庭に面した6つの保育室がある。3学年 x 2クラス。

・園庭は「おにわ」と「おやま」と呼ばれ、「おやま」へは色んなルートで行くことができる。階段、滑り台、坂など。「おにわ」には砂場4箇所、各種遊具、畑などがあり、運動会もここで行われる。
・大きな積み木?木のブロックで、教室や廊下に自由にステージなどを作り、園児が自由に組み合わせて遊んでいる。遊び場を自分で形作ることが出来る。
・ 虫、亀、小鳥の世話 などもできる。
教育理念
・自分でやりたいことを見つける事を重要視している。例えば、1日の過ごし方は子供によって違い一律にはしない。
・教育のキーワードは、「興味」、「意欲」、「自分で考えて行動」
・異年齢の子との関わりが多い。
・イベントの飾り付けも子供たちが自分で行う。
1年の流れ
4月:5歳 梅の実収穫、木登りる野菜づくり、調理して下の子にご馳走。
6月:東村山分園で4.5歳が親子連れでジャガイモ掘り。その場で調理。現地集合。
7月:収穫したジャガイモを、ジャガイモ屋さんとして、調理して下の学年にご馳走。
夏休み中:5歳有志の親子で園庭の畑の世話、水やり、雑草抜き。
9月:運動会、秋祭りは、5歳が出し物や遊びを準備して下の子を招待する。
10月:サツマイモ掘り、5歳のみ?、親子で芋汁調理。
12月:餅つき、親子で参加
2月:節分・親子で遊ぶ日が年に1.2回ある。
3月:卒園式は年少年中も参加。
所感
個人の自由意思を尊重し、保育者の干渉を抑えた保育というのは、普通の幼稚園・保育園にはなく、また都心のど真ん中で専用の園庭・山を持っているというのは、確かに理想的な環境かもしれないとは感じました。一方で、親の負担も大きく、少なくとも祖父母の力を借りずに、共働きで通わせることは難しいと思います。
入園できればとても良い経験と友達ができると思いますので、お受験にはトライしてみようかと思っていますが、実際受かったときにどのように通わせるかは未知数です。(妻が仕事を辞める必要があるかもしれません。)
子どもの為に、お金をかけるのが私立のお受験幼稚園、時間をかけるのがお茶の水女子大付属幼稚園、といった印象を持ちました。
また、文部科学省の視察報告が園の環境をイメージするには、なかなか参考になりますので、リンクご覧下さい。