【アルン】上野動物園で誕生した赤ちゃんゾウの情報まとめ
上野動物園でアジアゾウの赤ちゃんが誕生しましたね。
以前より楽しみにしていましたので、子供と一緒に見に行く予習として調べてみました。
プロフィール
種別 :アジアゾウ
性別 :オス
名前 :アルン
誕生日:2020年10月31日
出生時:体高100センチ、体重120.5キロ
父親 :アティ(1996年12月14日タイ生まれ、2020年8月24日に結核で死亡)
母親 :ウタイ(1998年2月7日タイ生まれ)
誕生地:上野動物園(同動物園では初の繁殖事例)
名前はアルンに決定
2020年11月下旬から名前の一般投票が始まり、結果「アルン」に決定しました。
名前候補は以下の3つで、全てタイ語です。
- タワン (タイ語で太陽・日・日輪)
- アルン (タイ語で夜明け・曙・暁)
- アッサドン(タイ語で夕日・夕焼け)
父親の「アティ」Artidはタイ語で「太陽」、母親の「ウタイ」Authiはタイ語で「日の出」ですので、それにちなんだ名前になったようです。
響きもかわいいですし、父親と同じイニシャルというのも良いと思います。
公開が開始されています
公開時間:9時30分〜15時(観覧受付締切)
公開場所:東園 アジアゾウ舎 屋内放飼場
- 2020年12月1日:公開が開始
- 2020年12月11日:屋内放飼場に隣接する屋外スペースも母子の状態を見ながら使用していく
- 2020年12月13日:公開時間を9:30~15:00に延長
- 2021年1月26日:母ウタイと一緒に屋外放飼場に出る練習を開始
- 2021年3月15日:アルンをメスの「スーリヤ」と屋外放飼場に一緒に出し、同居の練習を開始
母親はウタイ
上野動物園のアジアゾウはスーリヤ、ウタイのメス2頭がいます。
- スーリヤ:出生日不明、推定27歳、2001年4月5日にインドから来園
- ウタイ :1998/2/7生まれ、23歳、2002年10月11日にタイから来園
ウタイは一番若いメスですね。愛子様ご誕生の際にタイから日本への友好のしるしとして寄贈され、オスのアティとともに日本へやってきました。
今回の赤ちゃんゾウがウタイの初めての出産です。
2019/10/10ウタイ妊娠:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=25889
2020/10/31ウタイ出産:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=26498
ダヤーが死亡
上野動物園のアジアゾウはメスが3頭いましたが、最年長のダヤー(出生日不明、1984年9月20日にインドから来園)が2021年3月9日に死亡しました。推定44歳でした。残念ですね、一番体が大きくて、子供たちも3頭を見た目で判別できるようになっていたので、このニュースを聞いて悲しんでいます。
https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=26696
父親はアティ
赤ちゃんゾウの父親はアティ、 1996/12/14にタイ生まれ、母親ウタイと一緒にタイから寄贈されたゾウです。
立派な牙を持ったオスのゾウで、とてもカッコよかったのですが、残念ながら2020/8/24に結核で死亡しました。
7/29に結核の疑いがもたれ、心配していたのですが、その後1月持たずに亡くなってしまい驚きました。
ゾウは21カ月ほどの妊娠期間が有り、赤ちゃんゾウは父親の顔を見る事は叶いませんでした。つらいですね。。
2020/8/24アティが死亡:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=26372
上野動物園では初の繁殖事例
アジアゾウの赤ちゃん誕生は、上野動物園では初の繁殖事例になります。
上野動物園は1882年に開園、ゾウを飼育し始めたのは1888年で、2003年からは、野生の生態に近づけて繁殖トライしていましたが、やっと実を結んだ形です。
なお、調べてみると、ウタイは2016年に一度妊娠したものの、流産してしまっていたようです。やはり動物園での繁殖は難易度が高いのですね。
https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=23850
ゾウがいなくなる?ゾウの繁殖は難しい
1.現在、日本の動物園全体では32園で80頭程度のアジアゾウを飼育しています。(アフリカゾウ・マルミゾウは18園で40頭弱)
ただし、繁殖可能な年齢のアジアゾウは半分近くの45頭しかおらず、オスとメスをいっしょに飼育している動物園も15園しかないとの事。
2.外国からの導入も、アフリカゾウ、アジアゾウ、マルミゾウ全てが絶滅危惧種に指定されており、密猟を避けるために取引は禁止されているため、近年の導入事例は学術目的だけで、大量導入は難しい状況。
(ワシントン条約の付属書Iに記載されており、商業利用のための輸出入は禁止。学術的な研究のためなど例外的に行われることがある。輸出国と輸入国両方の許可が必要。)
3.野生の生息数は以下の通りと推測されており、過去75年で半減している。
アジアゾウ :約 36,000~51,000 頭(2008 IUCN/SSC)
アフリカゾウ:約70万頭 (2007 IUCN/SSC)
4.アジアゾウの最大の輸出国であるタイは、ゾウの輸出を年間1機関2頭以下とする規則が有ります。また、動物園に要求される設備(面積等、1頭当たり500m3?)のハードルも高い。
5.このまま国内繁殖が進まずに、かつ外国からの大量導入が難しい状態が続くと、50年後には国内に10頭前後しか残らなくなってしまう模様。
6.また、生まれた赤ちゃんを母親がうまく育てられない事が有ったりして、世界的にも誕生後1年以内の死亡率が非常に高いのが実情(3割?)
こちらの、上野動物園のまとめた記事(全3回)が分かりやすいです。
https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=ueno&link_num=26347
札幌市円山動物園の調査資料も勉強になります。https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/documents/zoukihonhousin.pdf
国内のゾウの繁殖事例
アジアゾウ:14例、9頭生存
出生日 | 出生場所 | 性別 | 名前 | 父母 | 備考 | |
1 | 2004/3/2 | 神戸市立王子動物園 | メス | モモ | マック/ズゼ | 2005/4/25死亡 |
2 | 2007/5/3 | 市原ぞうの国 | メス | ゆめ花 | テリー/プーリー | |
3 | 2007/5/3 | 神戸市立王子動物園 | オス | オウジ | マック/ズゼ | 2012/4/7死亡 |
4 | 2011/9/17 | 豊橋総合動植物公園 | メス | マーラ | ダーナ/アーシャー | 2017/8/13死亡 |
5 | 2012/10/14 | 富士サファリパーク | メス | ガーム | ||
6 | 2013/1/29 | 東山動物園 | メス | さくら | コサラ/アヌラ | |
7 | 2013/5/26 | 九州自然動物公園 | オス | チョイ | ||
8 | 2013/9/3 | 市原ぞうの国 | メス | りり香 | テリー/プーリー | |
9 | 2014/6/12 | 市原ぞうの国 | オス | 結希 | マック/ズゼ | |
10 | 2015/3/4 | 沖縄こどもの国 | メス | 琉美 | 琉人/琉花 | 2018/1/22死亡 |
11 | 2016/10/27 | 市原ぞうの国 | オス | ラージャ | ダーナ/アーシャー | 2017/12/14死亡 |
12 | 2018/7/31 | 市原ぞうの国 | メス | もも夏 | テリー/プーリー | |
13 | 2019/1/15 | 市原ぞうの国 | メス | ら夢 | テリー/マミー | |
14 | 2020/10/31 | 上野動物園 | オス | 未定 | アティ/ウタイ |
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%BE%E3%82%A6
アフリカゾウ:9例、5頭生存
出生日 | 出生場所 | 性別 | 名前 | 父母 | 備考 | |
1 | 1986/5/5 | 群馬サファリパーク | オス | タンゴ | リチャード/サキューブ | 2010/6/13死亡 |
2 | 1987 | 群馬サファリパーク | メス | ナツコ | 没年月日不明 | |
3 | 1989 | 群馬サファリパーク | オス | タンゴ2 | 没年月日不明 | |
4 | 1991/5/29 | 姫路セントラルパーク | オス | タカ | ||
5 | 1998/4/25 | 多摩動物公園 | オス | パオ | タマオ/アイ | 2007/7/11死亡 |
6 | 2002/6/13 | 多摩動物公園 | メス | マオ | タマオ/アイ | |
7 | 2006/11/9 | 愛媛県立とべ動物園 | メス | 媛 | アフ/リカ | |
8 | 2009/3/17 | 愛媛県立とべ動物園 | オス | 砥夢 | アフ/リカ | |
9 | 2013/6/1 | 愛媛県立とべ動物園 | メス | 砥愛 | アフ/リカ |
繁殖の是非
今回、調べていく中で、ゾウは本来、広大な土地を移動して群れで生活する動物の為、そもそも動物園で飼育することに対して、反対する意見を持つ方も多数いるという事が分かりました。
この辺りは線引きが難しく、野生で生息数が減っていくのをただ見守るだけなのがつらいという、繁殖推奨派の意見も分かりますし、飼育できるようなサイズの動物ではないという動物愛護団体の意見もその通りかもしれません。ノイローゼのような動きをしている動物もいて、それはそれで非常に心苦しい気持ちになりますし。
私は単純に「子供にゾウを見せてあげたい」と、のほほんと考えていただけだったので、正直ハッとさせられました。
我が家の子供たちは上野動物のゾウが大好きで、いつの間にか名前も覚えて見分けもしっかりつくようになっていますが、動物園にいる動物しか知らないのは、それはそれで偏った考え方になってしまう可能性も有るのかな、と思いました。
なので、野生の動物を見せてあげられたら最高ですよね。
私は、中学生時代にアフリカのサバンナで本物のアフリカゾウを見る機会があり、その迫力は動物園のゾウにはない物だったな、と思い出した次第です。
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上野動物に行くには現状、整理券予約が必要ですので、以下の記事もご参考です。